北海道余市町。
積丹半島の付け根い位置するこの町は、NHK連続テレビ小説『マッサン』で有名な、ニッカウィスキーの工場があることでも有名です。
北側は日本海に面し、他の三方はゆるやかな丘陵地に囲まれている余市町は、ぶどうやりんごの名産地でもあります。
北海道でも比較的温暖な土地とはいえ、冬季、雪によって農作業はお休み。冬の訪れと同時に、忙しい夏季に貯蔵しておいたトマトの加工がはじまります。
冬の朝、工場はとても寒く、ボイラーから運ばれてくる蒸気も、空気に熱を奪われ、しばらくは温まりません。
そんな中、ゆっくりと温められてゆくトマトたち。
じっくりと焦げないように、木べらで根気よくかき混ぜてゆきます。
いつしか寒さはいなくなり、汗をかくような暑さの中、火からおろすタイミングをうかがう職人たち。皮と実が剥がれる瞬間に引き上げる、ぶどうジュースやりんごジュースの果汁を扱ってきた職人技を、トマトジュースでも存分に生かして、一番美味しいタイミングを逃しません。
こだわりのトマトと絶妙な火加減が作り上げた赤色。
『リコピンのとりこ』は、農家と職人が一緒に作り上げた逸品です。